札所巡礼のご案内

 

 薬師如来は、東方浄瑠璃世界の教主とされ、薬師瑠璃光如来とも尊称されます。

 瑠璃色は紫を帯びた深い青色です。東より瑠璃色の暁の空に昇る朝の光が、夜の闇を消し去るように、悩み苦しむ私たちの煩惱の闇を照らし消除してくださる仏さまです。

 この世にあっては、衆生の病苦などの苦患を救う大願を発されて、日中の太陽のごとく私たちを守護し、人生の夕べには阿弥陀如来の西方極楽世界へと送りとどけてくださる仏さま。古くから先人達は、その様なイメージをもって薬師如来を信仰してきました。 

 三浦薬師如来霊場の歴史はとても古く、お開帳がいつから初められたか正確にはわかりませんが、文禄三年(1594)に編纂された『相模国三浦郡医王山神武寺御縁起』に「三拾三年にて開帳あり」の記述が見られることから、江戸時代以前から行われていたことが伺えます。しかも札所寺院の多くは三浦半島でも有数の古刹で、寺院それぞれに歴史的な由緒があり、また文化財の宝庫でもあります。

 三浦薬師如来霊場会一同、この三十三年に一度というまたとない機会に、世界平和と万民豊楽を祈念し、一人でも多くのみなさまが三浦半島の自然と歴史にふれながら、参拝・巡礼いただきますことを念願して、ここにご案内申し上げます。

合掌 

 

三浦薬師如来霊場会